IN TO THE DARK

コトリバコ
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そうこうしているうちに 松戸のマンションに着いた

100m手前からでもわかる高層マンションの入口で人影が見える

松戸だ

俺に気付くと 松戸はピョンピョン飛び跳ねながら 「早く早く」と急かしている

……どれだけのモノを手に入れたのだろう

【面白いモノ】
松戸がいう ソレを額面通りに受け取ってはいけない…というのはアイツの本性を知る者に取っては暗黙の了解だ

だが その時の俺は畏れよりも好奇心の方が勝っていた

きっと、その頃の俺はアイツに毒されていて危険を察知する本能が鈍っていたのだと思う


「早く行こうぜ」

マンションに着いた俺は松戸に急かされながらエントランスへと足を踏み入れた

途端に 言いようの無い寒気に包まれた

心臓の鼓動が凄まじい勢いで加速してゆく…

先を進む事を咎めるかの様に
フロアの床が何か粘り気を含んだ物質に変化している

一歩進もうとする度
靴の裏にガムの様なモノが引っ付いたような感覚がする
気になり確認するが何もない…

『おいおい。この先に何があるって言うんだよ。』


喉元に迫りくる恐怖を飲み下し 俺は先を歩く松戸の後を追った



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