現代怪談vol.1

信号機
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彼は椅子から立ち上がり バランスを取りながら 僕に云いました。
「こんなナゾナゾしってるかい 『背高ノッポの一本足 目玉が三つ なーんだ』って」

僕の「信号機です」って答を聞いて 彼はやりきれなさそうに云いました。

「僕の父さんは 来客がある度にそのナゾナゾを出したよ それでお客さんが「信号機!」って答える度に 嬉しそうに こう云うんだ

『ブー!はずれです!信号機じゃありません!正解は 『俺の息子』でした!』

ってね その度に 嫌がる僕を 無理矢理 お客さんの前に引き出すんだ その時のお客さんのビックリした顔ったらなかったね」

彼は 三つの目をゆっくり閉じながら 一本足を折り曲げて再び椅子に腰掛けます。

「これが 僕が父さんを殺した理由だよ 僕の父さんは ただ お客をビックリさせて笑わせる為だけに 僕をこんな奇形の怪物に仕立て上げたんだ」


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