【現代怪談vol.2】

変なものが撮れたんだ
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その日の夜、彼のアパートを訪れました。「ピンポーン」何度チャイムを鳴らしても、彼は一向に出てきません。部屋の電気はついているのに。(寝てるのか?)そう思った私は、ドアのノブに手をかけました。「カチャリ」開いてます。狭い部屋なので、ドアを開け部屋を覗いた瞬間、不在か否か確認できます。彼は家を開けたまま、不在でした。
(いいよな、別に・・・)と思いつつ部屋に勝手に上がらせてもらい、彼の机の上にふと視線を向けてみました。灰皿があって・・・燃え滓が残っていました。・・・写真とネガの燃え滓です。この時、なぜかわかりませんが物凄い押しつぶされそうな不安に捕らわれた事を、今でも覚えています。その燃え滓については、燃え尽きてしまっていて、何が映っているのか?までは判別できませんでした。そして次に、その机の下に一枚だけ写真が落ちている事に気づきました。その写真には異様なモノが映っていました。彼の顔がねじ切られるようにグニャリとしたものになっているのです。(禍禍しい)一言で言ってしまえば、それ其の物です。もう其処には一秒たりともいられませんでした。

彼は其の日を境に行方不明になりました。






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