【現代怪談vol.2】

階級章
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とある田舎警察であった話。

ある朝、若い巡査が出勤したところ、制服に付ける階級章を忘れたのに気付いた。
自宅に取りに帰る時間もなく、かといって階級章無しでは制服は着れない。

更衣室で途方に暮れていたところ、上司である警部補が親切に言ってくれた。
「俺の階級章が余ってるから、使えよ。なあに、一般人にはわからないから大丈夫さ」
巡査は上司の心遣いに感謝しつつ、警部補の階級章を付けて勤務に就いた。

その日の夜、検問中に暴走車を停止させようとした巡査は、その車に撥ねられて殉職した。
巡査は死後、二階特進の規定により、警部補に昇進したという。

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