二次創作

リンダリンダ 2
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「こんにちは。」


振り向かずとも声で分かる。
今日もまた彼女がやって来た。
最近は、特に何も用は無いらしい。
ただ雑談し、ただお茶を嗜み、そして帰る。
僕と彼女はただそれだけの関係なのだ。
以前は医者と患者、つまる所僕は彼女の顧客だった。
しかし今は違う。
友達、ではない。恋人、というわけでもない。(少し残念?)
何に形容する事も出来ない、またする事などを必要としない関係。
一つ言える事は、以前より親密になったという事だろうか。

「いらっしゃい。」

僕は机に向かったまま言う。

「眼鏡、どうしたの?」

彼女は僕の背中へ投げかけた。
今日の僕は眼鏡を外している。
というか今手許にある。
壊れてしまったのだ。

「蝶番の部分がイカれてしまってね」

眼鏡を外しての細かい作業。
中々に集中力が必要だ。

肩越しに彼女はひょいと顔を覗かせる。

「結構大変そうね。」

「あぁ。君は眼鏡を治す薬は作れないのかい?」

「月の頭脳こと八意永琳様を嘗めてもらっては困るわ。」

「今すぐ処方してくれると助かるのだが」

「生憎だけど眼鏡に口は付いてないのよ。」

「粉をかけると治る、というのは?」

「私は魔法使いじゃありませんの。」

クスクスと二人で笑う時は何とも心地良い。

小さな事なのだが、大きな幸福感がある。

カチ、

「よし。」

対した壊れ方では無かったので修理も簡単に終わった。しかし細かい作業の為多少の疲労はある。



眼鏡をかける。
いつもの貴方ね、と彼女は笑う。
また二人で笑う。



眼鏡の透明な硝子は世界を観せる。
しかし僕の心は不透明なままで見えないようだ。
何故彼女と居ると心は和らぐのか
何故彼女と居ると心は穏やかなのか



幾重もの光の屈折、その先に見えるものは

君?
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