1/2ページ目 「暇だなあ」 左足を空中へ蹴り上げると同時に、水飛沫が跳ねる。 湖に浮かぶ氷の上に寝そべっているのは、小さな氷精チルノ。 照りつける太陽に晒されているにも関わらず、彼女の周りだけは冷気を保ち水も冷たかった。 外の世界の暑さは次第に忘れられていき(主に北海道から)幻想郷へと流れこんでいた。 こうなればほとんどの者が体たらくな生活をしてしまう。 チルノも氷精とはいえ、その余波を受けていた。 彼女自身が暑さでうだるわけではない。周りの皆が落ちこぼれてしまい、家に篭ってしまう。幻想郷民輝夜化だ。 そして結果的に彼女の相手をする者が居なくなってしまったのだ。 蛙を凍らせて遊ぶのも飽きた、更にそれを見られて守矢のロリ神様に怒られるのも飽きた。 いつも一緒の大妖精も今日は居ない。 「魔理沙の所に行ってみようかな。」 あの魔法使いならばこんな時でも活発だろうと思い、早速魔法の森へと向かってみる。 森へ向かう途中博麗神社へ寄ってみた。もしかしたら此処に居るのでは、と考えたからだ。 しかし、神社には、アイデンティティをすっかり失い下着にキャミソールだけでアイスを貪り食う巫女と、昼間から呑んだくれて酒臭い鬼しか居なかった。 「残念だけど今日は地底に涼みに行ってるわ。」 いざ魔理沙の家へ着くと、人形師にそう言われた。 ___地底。 間欠泉騒動の時に名前だけ聞いていたが、実際に向かった事は無い。 妖や人間達から忌み嫌われ、地上を追われた者達が住むという地底。 「行ってみようかしら。」 氷精は地底へ行く事にした。 既に魔理沙の事など忘れていた。とりあえず"暇"というこの状況から抜け出せたらそれでいいのだから。 道中、いきなり釣瓶が頭に落ちてきたり、蜘蛛の巣に絡まったりしたが、何とか地上と地下を結ぶ橋へと辿り着いた。 「貴女、何処へ行くの?」 橋を渡る際に橋守の少女に聞かれた。 その問いにチルノはあっけらかんと答える。 「特に決まってないわ。」 橋守は予想外の返事に少し驚いたが、そう、気を付けてね。と一言返し、橋を渡るチルノを見送った。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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