二次創作

H月H日
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「暇だなあ」


左足を空中へ蹴り上げると同時に、水飛沫が跳ねる。
湖に浮かぶ氷の上に寝そべっているのは、小さな氷精チルノ。
照りつける太陽に晒されているにも関わらず、彼女の周りだけは冷気を保ち水も冷たかった。

外の世界の暑さは次第に忘れられていき(主に北海道から)幻想郷へと流れこんでいた。
こうなればほとんどの者が体たらくな生活をしてしまう。
チルノも氷精とはいえ、その余波を受けていた。
彼女自身が暑さでうだるわけではない。周りの皆が落ちこぼれてしまい、家に篭ってしまう。幻想郷民輝夜化だ。
そして結果的に彼女の相手をする者が居なくなってしまったのだ。


蛙を凍らせて遊ぶのも飽きた、更にそれを見られて守矢のロリ神様に怒られるのも飽きた。
いつも一緒の大妖精も今日は居ない。

「魔理沙の所に行ってみようかな。」

あの魔法使いならばこんな時でも活発だろうと思い、早速魔法の森へと向かってみる。

森へ向かう途中博麗神社へ寄ってみた。もしかしたら此処に居るのでは、と考えたからだ。
しかし、神社には、アイデンティティをすっかり失い下着にキャミソールだけでアイスを貪り食う巫女と、昼間から呑んだくれて酒臭い鬼しか居なかった。






「残念だけど今日は地底に涼みに行ってるわ。」



いざ魔理沙の家へ着くと、人形師にそう言われた。


___地底。

間欠泉騒動の時に名前だけ聞いていたが、実際に向かった事は無い。
妖や人間達から忌み嫌われ、地上を追われた者達が住むという地底。

「行ってみようかしら。」

氷精は地底へ行く事にした。
既に魔理沙の事など忘れていた。とりあえず"暇"というこの状況から抜け出せたらそれでいいのだから。


道中、いきなり釣瓶が頭に落ちてきたり、蜘蛛の巣に絡まったりしたが、何とか地上と地下を結ぶ橋へと辿り着いた。

「貴女、何処へ行くの?」

橋を渡る際に橋守の少女に聞かれた。
その問いにチルノはあっけらかんと答える。

「特に決まってないわ。」

橋守は予想外の返事に少し驚いたが、そう、気を付けてね。と一言返し、橋を渡るチルノを見送った。


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