二次創作

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「ですから、」

ちゅ。

「何度も、」

ちゅ。

「言いますが、」

ちゅ。

「・・・。」

ちゅ。




「・・・っいい加減にして下さい!」

ドンッ

「・・・いたた、もーう何するのよルカぁー」


水色がかった緑髪のツインテールを揺らし、よっこらセックスなどとふざけた掛け声で立ち上がる少女が一名。

長く艶やかな桃色の髪の先まで紅くする程、熱を帯びぜぇぜぇと息を荒げている少女が一名。

「初音さん、もう私に構わないでください!」

「ミクでいいって言ってるじゃない。私と貴女の仲な・ん・だ・し♪」

からかうように桃色の少女___巡音ルカ___の頬を突く緑色の少女___初音ミク___。

ジト目で睨みつけるルカ、尚も頬を突くミク。

「"一応"ここでは貴女が先輩ですし。」

溜息混じりにルカは言う。

設定年齢上ではルカの方がミクより年上だ。
しかし、この家ではミクの方が先にインストールされていたためミクが先輩となる。

「先輩の言う事ぐらい聞きなさいよ〜」

今度は自前のネギでねちねちと執拗に突く。
更に先端部分は下へ下へと帆先を進め、ルカの豊満な胸へと攻撃を続けてきた。

「ば、ばば馬鹿ぁっ!!」

年に似合わずつい可愛らしい声で反抗してしまう。
・・・だが、その反応こそミクの養分へとなってしまうのだ。

「ルカ、可愛いっ大好き!愛してる!」

本来ならば重要な場面で使うべき言葉をつらつらと簡単に発するミク。

「やめてください、思っても無いことを!」

"思っても無いことを"
という言葉に、耳をピクリと動かすミク。

恥ずかしそうに顔を俯かせ、背を向けるルカ。すかさずミクは後ろから抱きつく。



「・・・嘘じゃないよ。」



ミクのオクターブが低くなり、真剣な声色に変わる。

「これは打ち込まれたわけでもなんでもない、」

「私は機械だけど、唯一の本心なんだよ?」


造られた声顔性格人生、全部。
すべてプログラミングされているはずのVOC@LOID、というソフト。

そもそもこうして感情を持って、他ソフトと会話をする事すら奇跡なのだ。

「ルカ、私、貴女がインストールされた時からずーっと、ずーっと見てたんだよ。」

「綺麗で、可愛くて、私には決して出せない声で。」

ルカの心情は段々と変わりつつあった。
それは初めてミクと出会った時に芽生えた蕾が芽吹くような、そんな感じだった。元々胸に秘めていた感情だった。悔しいけれど。


何を思っているか分からない。宙を舞うようにしていて何も掴めない。
そんなミクから思わず零れた本音。

少しぐらいなら、そう、少しぐらいなら。
信頼してやってもいい、かな。
なんて。


「・・・・み、ミク?」

どもり気味でルカは言葉を紡ぎ出した。

「じ、実はわた、私も、貴女のこと、が」

好き、という前に口はミクによって塞がれた。



驚くルカを尻目にミクは無邪気に笑う。


「待って待って、その言葉は私から。」


ね?と首を傾けるミク。

「ほら、だって私先輩だし。」













あぁ、どうやら次の新曲は。
初めてのカップリング曲となりそうだ。










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