ましゅまろ短編集

2015年10月16日(金)
【フロアガイドマニアの苦悩】

 アレックス・シアラーの作品「魔法があるなら」をご存知だろうか。ひょんなことから、ある親子がデパートで生活を始めると言う物語だが、私はまだ読んでいない。
 まるで私の為の物語だと迷わず購入し、家の本棚に置いて、読もうと思えばすぐに手が届くところにあるのに、かれこれ1年くらい手付かずのままである。
 誰しもそんな本のひとつやふたつ、あるのではないかと思う。

 私は、デパートが好きだ。デパートに限らず、大きなショッピングモールも好きだ。何が好きって、何でも手に入れることができるような、あの満たされた気持ち。鳴りやまない迷子のお知らせのアナウンス、お客様の声と表したクレーム受け入れ口、そこに貼り出されている下らないやり取り、近所のスーパーには無い食材……。挙げたら切りがないが、私がなによりも愛しているのは、なんといってもフロアガイドである。
 フロアガイドを広げながら歩くショッピングモールは、まさに宝探しと言っても過言ではない。フロアガイドは宝の在処を記した宝の地図。だから、私は行く先々のフロアガイドをコレクションしている。
 同じお店のフロアガイドでも、店舗の入れ換えと共にデザインが変わったりするので、一枚手に入れたくらいで安心してはいけない。足蹴く通い詰め、絶えずチェックする必要がある。

 マニアックな話はこの辺にして、私が唯一、デパートで許せないことをお話ししよう。私は、エレベーターガールの存在が憎くて堪らない。
 エレベーターガールがいることで、常にそのエレベーターは一人分の重さのハンデがあるし、密室に他人がいることでストレスを感じるし、そもそもボタンくらい自分で押せる。かと思えば、エレベーターガールが乗っているエレベーターのボタンだけ、なにやら複雑な作りになっていて、エレベーターガール専用みたいになっているのも気にくわない。

 最近はエレベーターガール自体が減ってきているようだが、そのまま忘れ去られてしまうのも何だか悔しい。ライバルを失うようで少し寂しい。だから私は、定期的にエレベーターガールの出てくる作品を書くことにしている。

 ジンベエザメしかり、エレベーターガールしかり、私は絶滅危惧種に弱いのだ。
 

18:42
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