1/20ページ目 【導火線】 友人の背中に導火線を見つけました。ただの紐ではないことは、そこからの火薬の臭いでわかります。火をつけたら、一体どうなるんだろう。私は、気になって気になって仕方ありませんでした。 ある日、遂に誘惑に負けて友人の導火線に勝手に点火してしまいました。一体、何が起こるのだろう。爆弾だったらどうしよう、大爆発したらどうしよう等という考えはもはや私にはありません。ただ人間の本能的な好奇心だけが、私を支配していました。待つ時間というものは、とても長く感じるものです。じわじわと、しかし確実に火が導火線を這って行きます。 友人はようやく自分の身に何が起きているのか気づいたようで、悲鳴をあげました。見ると、友人は見る見る歳をとっていました。娘盛りも通り過ぎ、シワも増え、白髪が増え、腰も曲がりきった頃、ようやく導火線が燃え尽き、彼女の魂は打ち上げ花火のように、天高く昇っていったのでした。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
w友達に教えるw [編集] 無料ホームページ作成は@peps! |